まだまのカンバン
「お店のカンバンなんとかしてくださいよ〜!もっと大きく目立つものにされてはどうですか。お客さんも増えますよ。」
1人や2人ではなく、何人ものお客様からクレームとしてのお叱りの言葉をいただいております。
「迷いに迷ってとうとう日が暮れてしまい家に帰りました。」「もしよろしかったら私にカンバンを作らせてください」
しかし頑としてそれに応じないのですから「クレームには最優先で対処し改善する」というサービス業の常識からは完全に外れています。
お客様のお気持ちは重々わかっています。町とちがって山の中ですから迷って不親切なカンバンに腹が立つこともあるでしょう。申し訳ないと思いながらも、今のカンバンはあえて変えないつもりです。
なぜなら、「目立たない」ということが、自然と同化し、調和していると考えているからです。
大きなカンバン、原色の派手なカンバンが町中、さらには郊外や行楽地の自然の中にまで氾濫しています。日頃からそれらのカンバンが環境美を壊していると強く感じているのです。
ドイツ、フランス、スイスへ出かけましたが日本のようなとんでもないカンバンの乱立はどこにも見当たりませんでした。「美しい環境に美しい精神が宿る」これは美しい日本の心、まだま村のポリシーです。
「たかがカンバンされどカンバン」
実はこのカンバンのヒントはまだま村周辺の自然歩道に立っている道しるべです。市が建てたものですが、丸太に小さな字で道先案内が書かれているだけの素朴なものです。車で走っていると絶対読めません。自然歩道ですから、歩く人に合わせて作られています。それが、計らずも自然にぴったりあっているのです。
大きなカンバン、派手なカンバンというのは車社会に合わせて作られたものでしょう。車のスピードから歩くスピードへ。車でもゆっくり走っていただければ、小さいですが、まだま村のカンバンにも気づいていただけるものと思います。勝手をお許しください。
(村長)

